婦人薬として民間に伝わる歴史の長い薬です。生理前になるとイライラする人や、全身に倦怠感があるという人に効果的です。不眠などの不定愁訴を改善する効果もあります。
成分:柴胡、当帰、白芍、白朮、茯苓、甘草、薄荷、生姜。
効用:肝臓の働きを高め、イライラを解消し、肝臓機能促進。 女性の気分憂鬱、足がほてり、イライラして落着かない、生理時に乳房に張り、生理不順、更年期障害等 。
用法用量:1回8丸、1日3回。
注意:妊娠中使用禁止。
1箱200丸(約8日分)、一ヶ月の服用量の目安は4箱です。
讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1994/3/27
新陳代謝を促進 逍遥丸で春の養生
漢方では、自然と人間との調和を第一として、自然現象と人体の生理を結びつけて考えるところに特色がある。この「天人相応」の視点から、春の養生法を考えてみると・・・・・。
春は、自然界すべてのものが、のびやかに成長する時期である。これは人間についても言えることで、身体の成長だけでなく、のびやかな精神活動が求められる時期でもある。したがって、ストレスを上手にコントロールして、メンタルヘルスに努めることが、春の養生法のポイントになる。
ストレスによって、最も影響を受けやすい臓器は肝である。肝は、身体全体の気(エネルギー)の流れを調整する役割を担っている。ストレスによって肝の機能が低下してくると、気の流れが滞り、身体の各所に影響が出てくる。一般的には、消化器系の不調、疲労感などを訴えることが多い。
肝を補い、気の流れをよくすることで、からだ全体の新陳代謝を促進する漢方薬に逍遥丸(散)がある。道教思想の大家・荘子は、仙境にわけ入って、のびのびと生きることを唱え、その自由な生き方を"逍遥"と呼んだ。その名を冠した逍遥丸は、肝に栄養を与える当帰や芍薬、うっ滞した気の流れをよくする柴胡や薄荷に、胃腸の働きをよくする白朮や茯苓などを組み合わせた処方である。
うっ滞した肝の機能を回復し、のびやかな精神活動を取り戻してくれる逍遥丸は、春の養生にピッタリの薬だ。
路 京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)